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温海町大字五十川学鈴丙一番地地先距岸五〇〜六〇メートル材の海岸に船首を南に向け種座した状態で漂着したのを確認した。
座礁したN号の様子
また酒田海上保安部の調査によると、漂着座礁したときのN号の様子は「船体灰色、船橋白、スタントロル型漁船、船首・中央・船尾に鳥居型マスト、船橋左右に救命艇左舷から二本、右舷から一本鎖錨が繰り出されており、錨は船首甲板に二個、船橋前部に一個、漁具などはなく、船首を南にむけ風波により五〜二〇度傾斜し圧流されている」となっている。
酒田海上保安部の対応
このような事故の場合地元の海上保安部署は大変だ。油流出に対する緊急処置、事故の捜査、船体撤去に関する対応等に追われる。
当保安部では、先ずN号の流出油が、強風で現場沿いの国道や人家に飛散してくるのを中和剤を散布して防いだ。幸いN号は無人船で燃油は積んでおらず、機関室のビルジ程度だったので大事には至らなかったが、いちはやい対応に住民から大変感謝れた。
F号に対する捜査は、同船船長に対する業務上過失往来妨害被疑事件として所要の捜査を実施のうえ一一月二一日山形地方検察庁に書類送検した。また、N号の船体撤去に関する対応については、自治体の対応のところでふれる。
当日の新聞報道
各社は、K号の座礁事故を大きく報じた。その中から朝日新聞の平成七年一一月一〇日付け朝刊記事を紹介すると「温海町鼠ケ関の沖合約四十二キロの日本海で九日午前五時ごろロシア船籍の無人漁船ノボアルハンゲリスク(三、一四六トン)がロシアのコルサコフ港から中国・上海港に向かう途中に大しけのため、えい航していたタグボートのロープが切れて漂流、午後四時二〇分ごろ同町五十川の沖合約三〇折の岩場に座礁した。漁船は波をかぶり、転覆しそうになりながら、岸に打ち寄せられて、岩と岩の間に挟まった。近所の人たちや国道七号を通行中のドライバーたちが現場に集まり、様子を見守っていた。以下略」と報じた。
当日の天候とえい航
当日の天候は、酒田海上保安部の保安官によると「日本海中部に発生した低気圧が北海道の北で猛烈に発達していて暴風警報や波浪警報が出ている状況だった」さら

 

 

 

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